ナチ高官暗殺を描いた『ハイドリヒを撃て!』

anthropoid映画
映画

今日は『ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦』(原題:Anthropoid)について。

filmarksでは、3千”見た!”でちょっと少な目?でした。
あまり気軽にオススメできる映画ではないのですが、見ると色々考えさせられる話なので是非。

anthropoid_picture
スポンサーリンク

概要

第二次世界大戦中、ユダヤ人大量虐殺を主導した親衛隊(SS)最高幹部ラインハルト・ハイドリヒの暗殺作戦(エンスラポイド=類人猿作戦) を描いています。

私はこちらの映画を見るまでこの事件を知らず、内容にかなりショックを受けました。

キャスト

ヨゼフ・ガブチーク:キリアン・マーフィ (ノーラン監督『バットマン』『ダンケルク』など常連ですね。ドラマ『ピーキー・ブラインダーズ』など)

ヤン・クビシュ:ジェイミー・ドーナン (『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』など)

レンカ・ファフコヴァー:アンナ・ガイレスロヴァー

マリー・コヴァルニコヴァー:シャルロット・ルボン

ヤン・ゼレンカ=ハイスキー:トビー・ジョーンズ (ハリポタシリーズ、『キャプテン・アメリカ』、『裏切りのサーカス』)

アドルフ・オパルカ:ハリー・ロイド 

1941年駐英チェコスロバキア亡命政府から、選ばれた2名の兵士がパラシュートでナチス支配下のチェコ国内へ降り立つシーンから始まります。着地する時に傷を負います。(これがとても痛々しい。)

関わる人々すべて疑心暗鬼の状況、苦労しながらも、国内レジスタンスと合流し、独裁者ハイドリヒを暗殺する方法を探ります。そしてやってきた作戦実行の日ー

以下ネタバレありです。

ちょっと歴史復習

その前に、ちょっとハイドリヒ暗殺に至るまでの歴史を見てみます。

1939年、宥和政策を象徴するミュンヘン協定は有名無実状態に。チェコ大統領はヒトラーの圧力に屈し、為す術なくチェコ領を渡してしまいました。

併合されたボヘミア・モラヴィアの土地は「ベーメン・メーレン保護領」とされました。

ここは大戦中ナチスにとって銃や戦車の重要な供給源であり重要な軍需工業地でした。

1941年、ベーメン・メーレンの統治を命じられたラインハルト・ハイドリヒは厳しい統治を行い、ユダヤ人絶命政策を主導。
「絞首刑人」「金髪の獣」と呼ばれ恐れられました。

一方、連合国側から不満を買っていたベネシュ大統領率いる駐英チェコ亡命政府は、連合国側の信用を勝ち取る必要がありました。チェコは共産主義ソ連側ではないかと疑われてもいたようです。

(ベネシュは、1938年ズデーテンを割譲することになったミュンヘン協定後に英国に亡命しています。)

英国もチェコでの諜報活動を強化する必要がありました。

互いに利害が一致した英国とチェコ亡命政府は、この作戦を実行するに至ったようです。

ANTHROPOIDは作戦コードネームです。

ミュンヘン会談の流れは学校で習った重要歴史ですが、忘れていました。。

感想

え、パラシュートで敵領に下ろすって政府めちゃくちゃなことするな……が第一感想ですが、上で述べたようにチェコ側はもう後に引けない状況だったのです。

任務を受けた兵士達は、チェコのためにという強い思いを持って行動しますが、
手元には片道切符しかないことに気づいており、作戦遂行への迷いも見せる場面もありました。

最後の700人vs7名の教会立てこもり銃撃戦は凄惨極まる悲劇でした。

結果としては、史上唯一成功したナチ高官暗殺ですが、何よりも虚しいのが、ハイドリヒ暗殺の報復として村2つが無慈悲にも壊滅されたことです。(男性はほぼ全員銃殺、女性は収容所送り)

チェコ住民に対して激しい報復が行われることは予期されていたことでした。

チェコ内でのレジスタンスの盛り上がりも期待されていたのですが、ナチスの報復が激しすぎて盛り上がることはなく、期待していた目に見えるプラスの波及はありませんでした。

この暗殺を契機に、連合国側は正式にミュンヘン協定を無効としました。(既に無効状態でしたが…)


全体的にセピア色の映像でリアルな雰囲気の映画です。
言わずもがな、キリアン・マーフィがめちゃくちゃカッコ良いです。渋みある強い男です。

映画は写実的で、作戦に対する一種の高揚感などの演出は表現されていません。拷問シーンなど凄惨な場面多々あるので要注意です。

ハイドリヒ暗殺のために払われた多大な犠牲。(もちろんハイドリヒはユダヤ人虐殺など主導していたのですが。)
この作戦は行われるべきだったのか問いかけがあるように思います。
ですが、実際戦中にこのような綺麗事は言われないですよね。
戦争に正しいも何もないですが、終わりのない問いがあります。

蛇足ですが、この映画において、現地女性とのロマンス話は2名とも必要だったのかな〜とギモン。

〜エンスラポイド作戦関連映画〜
「死刑執行人もまた死す」(1943)
「暁の七人」(1975)
「ナチス第三の男」(2017)

スポンサーリンク
えりをフォローする
ナマケモノのメモ

コメント

タイトルとURLをコピーしました